【トニキャプ】そうして次のお茶の誘いを取り付けた

※MCU世界線ですが、全員生存平和アース。

ストレンジ先生の魔法でトニーが素直になる話。

2021/11/27ムパラで、スティーブ視点の書下ろしを添えた本を発行しました。



「ああ……好きだな」

 それはいつもの退屈なミーティングでのひと場面。口をついて出た僕の言葉は小さな囁きのようなものであったのに、なぜかその場にいた全員の注目を集めてしまった。 

「……トニー?」

 プロジェクターの前で発言していたスティーブが怪訝そうにこちらを見つめてくる。それもそうだろう。議題は近況報告。彼はいま、ここ数日まちを騒がせていた悪党集団を警察に引き渡したという些細な活動報告をしたばかりだった。その報告と先程の僕の呟きはまったく結びつかないのだから、彼がいぶかしむのも無理はない。

 かくいう僕はというと、これがどういうわけか自分でも何故あのような呟きをしたのかまるでわかっていなかった。つまり、たったいま僕の口から飛び出した「好きだ」という言葉は無意識の産物だったのである。

 上の空で議題とまったく関係ないことを考えていたわけではない。それは時には「サノスのような強敵が現れない限り集まる必要なんてないんじゃないか?」と軽口を叩いて、別の作業をしながらの参加である日もあるが。今日はむしろ普段より真面目に参加していたほうだ。

 サノスの襲撃から数ヶ月。僕達は数週間に一度集まり、各々の近況を報告しあうようになった。

 宇宙の人口が半分になり、その消えた半数が戻るまで五年の歳月がかかったのだ。世界の混乱は未だ大きい。僕らアベンジャーズがバラバラになっていなかったら、この事態を完全にとは言わずとも最小限に抑えられていたかもしれないと思えば、事務的な集まりも馬鹿にはできない。この件に関しては僕も異論はなかった。

 よって今の発言は、上の空で別のことを考えていたから飛び出したわけでは決してない。が、変に注目を集めてしまった手前、このまま流すわけにもいかず、「いや、なんでもないんだ。つい、今朝食べたドーナツのことを思い出してしまってね」などと当たり障りのない否定の言葉を口にした……つもりだった。しかし。 

「スティーブ。きみは本当に素晴らしいよ。ヒーローとしても人間としても。きみとこうして肩を並べて働くことが僕の長年の夢だった。きみは強く、美しく、聡明で……」

 つらつらと思ってもないことを語りだすお喋りな口を、僕は反射的に自らの手で塞いだ。お喋りな口、というのが他人のものだったならこの状況も理解できる。だが不可解なことに、言葉を発していたのは他ならぬ僕自身の口なのである。僕の口は、僕の意に反して好き勝手に物を述べたということだ。たまったもんじゃない。いったい、どうなっているんだ。

 混乱する僕に、

「ええと、ありがとう?」

 スティーブは困惑しつつも礼を述べた。その頬は心なしか赤く染まっている。

 一方、ミーティングに参加している他のメンバーはというと、

「トニー……あなた、なにか企んでる?」

「俺はヴィランの精神攻撃を喰らってるに一票」

「い、良いことじゃないか。罵りあいながら仕事するより褒め合うほうがずっとね」

 と、いつにない僕の発言に対し、各々好き勝手な感想を述べた。

 ブルースが言うように誰かを罵る言葉ではないので、事態を重く受け止める者はいないらしい。おまけにクリントのいうヴィランからの精神攻撃だったところで、今のところ実害はない。他人の能力を認めて称賛するというのは、なるほど、素晴らしいことだ。

 問題があるとすれば僕の性格上、誰かを素直に褒めることがそうそうないということくらいだろう。特にスティーブに対してはその傾向が顕著だった。シベリアで派手な喧嘩別れをした頃と比べればいくぶん落ち着いていたものの、近頃はまた遠慮なく物を言い合う関係に戻りつつある。喧嘩という程ではないが、意見や価値観の相違が些細な口論に発展する、そんな関係に。

 だから僕らは互いにとてつもなくこの状況に戸惑っていたわけだ。

「トニー、もしかして体調が悪いのか?」

 スティーブが困ったような、けれど同時に気遣うような視線をこちらへ向けてきた。

 慣れない僕からの称賛の言葉を引きずって照れているのか、彼の頬はいまだ上気したままだ。

 なんだ、その顔は。あんたこそ体調が悪いんじゃないのか。そうだと言ってくれ。そうなければ。

「……っ!」

 またもや余計なことを口走りそうになった口を塞ぎ、ぐっと奥歯を噛み締めて堪える。そしてたったいま頭の中に浮かんだこと、そして口にしそうになった言葉を必死で振り払った。

 僕は素直ではないが正直だ。思ったことはなんでも率直に口にする。時に皮肉を交えることはあれど、思ってもいないことを口にするのは耐えられない。

 僕は咳払いをひとつして調子を整えてから、

「……あー、いつまででもきみの話を聞いていたいんだが、たしかに今日はどうも調子が悪い。すまないが早めに休ませてもらうことにするよ。なにかあれば呼んでくれ。なにもないに越したことはないが、なにせ僕らの仕事はヒーローのスケジュールなんてお構いなしの連中を相手にすることだからな」

 誰にも口を挟む隙を与えず喋り続け、そのままミーティングルームをあとにした。

 道すがらいまの自分の発言を振り返る。去り際の言葉は問題なく、思った通りに発することができた。ということは一時的なものだったのか。それともスティーブに関することだけこの不可解な事象が起こるのか。

 いくら考えてもこの不可解な事象の解決の糸口は掴めなかったが、こういうことが可能な人物には心当たりがある。

 思い返せば数週間前、奴との会話の中で引っ掛かるものがあったのだ。きっとその時になにか仕掛けられたにちがいない。万一彼が犯人でなかったとしても、何らかの解決方法を知っているはず。なにせ相手は、至高の魔術師なのだから。

 

「まだミーティングの時間のはずだが」

 訪ねると、宙に浮いた男がこちらを一瞥もせずに話しかけてきた。なにやら怪しげな書物を読み込んでいるところのようだが、僕は構わず、

「ああ。アベンジャーズに加入したばかりの新人のあんたがミーティングをサボるもんだから、一言必要だと思ってね」

 と軽口で返した。すると、彼はちらと視線だけをこちらに向けて、

「……ウォンが出席していた。私からの報告ならそれで十分だろう」

 と不機嫌そうにぼそりと答えた。

 僕だってなにも本当に説教しにきたわけではない。ずいと彼に近づき、

「僕になにか魔法をかけただろう?」

 と、単刀直入に問いただした。

 僕には確信があった。このおかしな事態を引き起こした要因はこの男にあるにちがいないという確信が。

 さかのぼること二週間前。僕はこの男にチームの不満を漏らした。その日のミーティングでスティーブと揉めていたので、主にスティーブに関する愚痴だった。揉めた要因は些細なことなので詳細には覚えていないが、ヒーローとしての指針のちがいから口論に発展したのだったと思う。根本的に僕達はソリが合わないのだ。

「まったく頭の固いじいさんだよ。自分が正しいと思って意地でも意見を変えないんだ」

「なぜその不満を私に漏らす」

 ストレンジはぼやいてきたが、僕は気に留めず話し続けた。

 ストレンジとも決して馬が合うわけではない。むしろ同族嫌悪と言うべきか、自分と似ているからこそ苦手な部分も多々ある。が、一度は宇宙で共闘した仲だ。声はかけやすい。それに他のメンバーの大半はスティーブの味方のため、話したところでどうせ「お前が悪い」と一蹴されることはわかりきっていた。

「私も大抵の場合、きみに非があると思っているがね」

 当然のようにこちらの思考を読んでくるあたりも腹が立つが、チームの不満を吐き出す相手として、関係性に適度な距離感のあるストレンジは都合が良かった。

「そもそも、きみのソレは愚痴というよりも…」

「情報の共有だ。あんたはアベンジャーズの新人だからな。チームメンバーのことは知っておいたほうが良いだろう?」

「……お気遣いどうも。できれば仲間の悪口ばかりでなく良い側面も聞きたいものだがね」

 その時のストレンジは読書の片手間で僕の話を聞いていたわけだが、思わぬ切り返しに少し考えてみた。スティーブの良い側面か。

「ヴィブラニウムの盾がある。ソーのハンマーが使える。ああ、それによって雷も落とせるようになったのは便利だな」

「スターク……もう少しそのひねくれた性格をどうにかしたらどうだ」

 ストレンジはじとりとこちらを見つめてきた。

 ひねくれてなどない。これが僕だ。そう返すと、

「わかった、わかった。きみは正直者だ。心の奥底で思っていることしか口にできないんだろうよ」

といってストレンジは、しっしっと手を振って僕を追い払ったのだった。

 二週間前の会話ではあるが、その時の彼の妙な言い回しだけはなぜかずっと引っかかっていて、いまも鮮明に思い出すことができた。あのとき何かしら僕に術をかけたのではないか。不思議とそう思えてならなかったのである。

「ふむ。名推理だな」

 ストレンジは僕の指摘に、芝居がかった調子で返してきた。

「それで私にどうしろと?」

 この返答は罪を認めたようなものだ。

「決まっている。はやくこの馬鹿げた術を解いてくれ」

 なにをわかりきったことをと苛立ったが、彼はとぼけた顔で、

「なぜ? きみは正直者なんだろう? 思ったことははっきりと相手に伝えるタイプのはずだ。何か問題でも?」

 と煽ってきた。

 なるほど。彼の魔術が本当に「心の奥底で思っていることしか口にできない」というものならば、まだ納得もできる。それが真実なら正直者の僕は困らないからな。

「だが、あんたが僕にかけた術はそうじゃないだろう」

「スターク。私の術は完璧だ」

「ふざけるな。僕がスティーブに対して抱いている評価は、前にも言った通り……」

 そこで続く言葉は、先日ストレンジに告げたものと同じであるはずだった。少なくとも頭の中では同様の言葉を並べていた。ヴィブラニウムの盾がある、ソーのハンマーが使える。それに雷も落とせる……。けれど実際に口から飛び出したのは、

「彼は強く、美しく、聡明で、統率力がある。ヒーローとしての側面はもちろん、彼個人の人間性にもとても惹かれるんだ」

 またもやつらつらと勝手に語りだす口をがばりと押さえる。が、言い足りないのか僕の口は生意気にももがもがと抵抗してきた。そうしてしばらく僕と僕の口との無言の争いが続いたけれど、結局は僕の勝利で決着がついた。

 僕はぜえぜえと息を吐きながら、

「……聞いただろう? これだ! これを直してくれと言っているんだ!」

「普段のきみのひねくれた意見よりも、率直ですばらしい人物評だったと思うが」

「ストレンジ!」

「心配しなくとも簡単な術だ。あと1、2時間で解けるさ」

 本のページをめくりながらストレンジはあっさりと答えた。どうやら自然と解けるタイプの魔法らしい。それならそうと最初からそう答えれば良いものを。ひねくれているのはお互い様だろう。

「スターク。間違いなく、あんたにかけた術は、あんたの深層心理の言葉を引き出すものだよ」

 術が自然に解けるのならば、ここにいつまでいてもしかたがないと立ち去ろうとした僕の背中に、ストレンジは念を押すようにそう告げてきた。

 あと1、2時間で解ける。ストレンジの言葉通りなら次にスティーブと会う時にはいつもの僕として会えるだろう。そんな僕の甘い考えは、あっというまに打ち砕かれることになった。ストレンジと別れて、ニューヨークでの住まいへ帰宅すると、家の前にいま最も顔を合わせたくない男が立っていたからである。

「トニー」

 ドアに背を預けるように立っていたスティーブは、僕の姿を捉えると気遣うように駆け寄ってきた。

「……やあ、スティーブ」

 おそらくまだ術は解けていないだろう。唇が勝手な動きをしないよう慎重に言葉を発する。

「体調が悪いんだろう? 休んでいなくて良いのかい?」

 スティーブは純粋に僕を気遣ってくれているようだったが、御存知の通り、僕の体調はまったく問題ない。

 いっそ彼にストレンジの術にかかっていることを告げてしまおうか。一時的におかしな言動をしてしまうことがあるけれど気にしないでくれと。べつに深層心理がどうとかという部分を省いて伝えれば良いのだから、気を揉むこともないだろう。

 そう思い、口を開こうとしたのだが……開かなかった。何度試みても唇がぎゅっと拒むように閉じてしまう。

「ん、んぐ、この……!」

「トニー?」

 一人格闘する様ははたからみたら滑稽だろう。だが僕は真剣だった。不安そうにこちらを見つめてくるスティーブに構わずしばらく己の唇と戦ったのだが、敵わなかった。おそらく、術に関することを他人には話せないよう制約でもかけられているのだろう。スティーブに真実を告げることは諦めるよりほかなかった。

 僕はしかたなく、努めて自然にスティーブのほうへと向き直り、

「……あー、いやなんでもない。今日は心配をかけてすまなかったな」

 と慎重に言葉を選びながら返した。念のため自身の発した言葉を頭の中で復唱してたしかめ、これなら問題ないはずだと頷きながら。

 けれどもスティーブにとっては、これまた意外な態度だったようで、

「なんだか今日のトニーは本当に素直だな」

 とぽつりと感想を漏らした。

 いったいスティーブの中の僕はどうなっているのか。僕だって謝罪くらいするさ。まあ、思い返してみれば彼に謝った回数は指の本数に収まる程度かもしれないが。それでもゼロではないし、いまだ僕に非はなかったといえる件もいくつかある。

 納得がいかず、じろりと訴える視線を投げかけたのだがスティーブには届かなかったようで、彼はふいに「そういえば」と自身の鞄を探り、

「きみが早退したあとの議事録を持ってきたんだ」

と、取り出した封筒をこちらへ差し出してきた。

 封筒。紙書類。今時こんな他愛もない内容の資料をデータでなく書類で共有する奴があるかとか。わざわざ手渡しで持ってこなくても良いだろうとか。そもそも僕は手渡しが嫌いだとか。言いたいことはごまんと浮かんだが、僕の心の奥底の声とやらはそうではないらしい。

「ありがとう。なかなかゆっくり顔を合わせる機会がなかったから、こうして訪ねてきてくれて嬉しいよ」

 手渡された書類を笑顔で受け取る自分に、術の強さを思い知らされる。ふだんの僕だったら、こんなセリフは絶対に吐かない。ドクター・ストレンジ。奴はどんなヴィランよりも恐ろしい。敵に回すのはよそう、などと考えていると、

「いや……そう言ってもらえるなら、訪ねてきてよかった。メールでもよかったんだが、なんだか味気なく思えたから」

 とスティーブは嬉しそうに返してきた。

 この反応にはさすがの僕も驚いた。いつもとちがう僕の様子にさぞ気味悪がるだろうと思っていたのに。言動ひとつでこうも人の態度は変わるものなのか。

 僕らは出会った頃から衝突ばかりだったけれど、思い返せばきっかけは僕のひねくれた言動に端を発するものが多かったようにも思う。

 スティーブは人望がある。彼自身のカリスマ性によるところももちろん大きいけれど、それ以上に、他人からの好意に対して、彼が正面からまっすぐ好意でもって返す男だから誰からも好かれるのだと、今更のような気付きを得た。

 そうしてストレンジの術に身を任せていたら、「せっかくなら少し寄っていかないか?」と僕の口はスティーブを家に招き入れていた。これも想定外だ。当初の予定では余計なことを口にしてしまう前にとっとと追い返すつもりでいたのに。

 けれど自然な言動に身を委ねていくうち、思いがけずスティーブとの会話がはずんだ。仕事の話を抜きにここまで会話が続いたのは初めてかもしれない。話題はプライベートなものにまで及んだ。好きな音楽や小説。最近みた映画の話。同僚としての付き合いは十年を超えるというのに、はじめて聞く話ばかりだった。

 根本から性格がちがう。同僚としては成立しても友にはなりえない。どこかでずっとそう線引してきた。そのくせふとした瞬間にバーンズやサムを羨んでしまうのだから世話はない。

 少しだけ皮肉を引っ込めて素直な言葉を伝える。なんだ。そんな単純なことで良かったのか。たったそれだけで彼と距離を縮めることができたのか。と、過ぎ去ったこれまでの時間をわずかに悔やんだ、その時。魔法が解けるのを感じた。

「あ……」

 紅茶のカップをしずかにソーサーにおき、スティーブを見つめる。

「トニー?」

「解けた」

「は?」

 発声練習をするように何度か短い言葉を発してみる。抵抗感はない。確認するためにスティーブに先程伝えられなかったことを告げてみた。

「実は今の今までストレンジに魔法をかけられていたんだ」

 問題なく伝えることができた。自分の唇に抵抗されないというのは、なんと気持ちがいいものなんだろう。

「魔法?」

 問いかけてくるスティーブに気分良く、

「ああ。厄介な魔法だ。まったく思ってもないことを勝手にペラペラと話し始めて、迷惑してたんだ」

 ああ、すっきりした。これですべて元通り。と爽快な気持ちでスティーブのほうを見やれば、彼は僕と反対に表情を曇らせていた。

「スティーブ?」

 先程までの和やかな雰囲気が一変したことを肌で感じる。いったいどうしたというのか。訝しんで声をかければ、

「……いや、きみの様子がいつもとちがうことは気付いていたんだ」

 でもそうか、魔法によるものだったのか。彼は小さく呟いた。

 そこでようやく自分がまずい物言いをしてしまったのだと自覚した。

 たしかにはじめは、告げるつもりのない言葉を勝手に紡ぐこの魔法をいまいましく思っていた。けれど身を任せてみてわかった。たしかにストレンジの言う通り、この魔法が紡ぐ言葉はまったくのでまかせではない。僕が心の奥底にしまって、けれど伝えることを拒んでいた言葉ばかりだった。彼に伝えた言葉は、称賛もなにもかも。嘘偽りのない僕自身の言葉だったのだ。

「スティーブ、いまのは……」

「ああ、すまない。ずいぶん長居してしまったみたいだ。お茶、美味しかったよ。それじゃあ、また次のミーティングで」

 スティーブは僕の言葉を遮って矢継ぎ早に告げて、僕に背を向けた。

 このまま帰らせてはいけない。頭ではわかっている。いま別れてしまったら、せっかくおせっかいな魔法によって築いた親密な関係をすべて失うことになってしまう。

 だが、なんと言葉をかければいいのか。せっかく自分の自由な言葉が返ってきても、適切な言葉が見つからない。やはり僕たちはただの同僚にしかなり得ないのか。

『きみは正直者なんだろう?』

 どこからかストレンジの声が聞こえた気がした。

 そうだ。心の奥底にある言葉をただ告げるだけで良い。それだけで彼との関係はがらりと好転する。それがわかったのだから、なにも怖がる必要などないではないか。

「待ってくれ、スティーブ!」

 閉じかけたドアを開き、僕は彼の背中に向かって、正直に今度は自分の言葉を投げかけた。


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